Record 2001/09/11 - 310101
研究収容サイト-310通信回線による記録
メンバー:
- 対応部隊連絡員 ルドルフ・パウゼマン
- 渉外担当調整官 アントニオ・バークレー
- 収容スペシャリスト アイリーン・キム
- サイト-310副管理官 オドネル・フィッシャーマン
[記録開始]
フィッシャーマン: それで、状況は?
パウゼマン: 悪くなる一方だ。サイト-28は完全に陥落したと思われる。マンハッタン区は異常空間と悪魔どもに飲み込まれるだろうな。
キム: 上空の到達点が判明するまでは偵察ヘリも飛ばせません。現地エージェントによる報告を頼りたいところですが、電波障害は深刻です。地下回線も寸断していますし──これで建造物の表象に依存するタイプの空間異常ではないことだけは分かりますが。
パウゼマン: 何の慰めにもならん。"シティ・スリッカーズ"が機能不全に陥った以上、ワシらが当面頼りにできる機動部隊は"バッカスの酒"と"螺旋階段"だけだ。
キム: ちょっと、何故2部隊しかいないのです?
フィッシャーマン: 連合への配慮です、特別総会への警備は彼らの管轄でしたから。30番街に規制線を張れば、少なくとも逆侵入は防げるでしょう。可能な限り群衆の退避を進めねば──
バークレー: [接続ノイズ] すみません、どうも。緊急事態です、管理官。
フィッシャーマン: これ以上何が緊急事態になりうるのか分かりませんが、聞かせてください、エージェント。貴方は国連本部ビルにいるのですよね。一体どんな情報を?
バークレー: かなり悪い事態ですね。たった今、ペンタグラム1がダウンしました。どうやら4機めの目標は国防総省だったようです。
パウゼマン: 首刈り戦法か、的を射ておるな。
フィッシャーマン: 連合の出方はどうですか? こちらにはまだ彼らとの交渉権がありません。
バークレー: かなり混乱しています。複数の排撃班が動員されていますが、特別総会出席者の護衛と避難で手一杯です。施設は避難民で溢れていて、統制は望めません。
キム: どこも同じね。そちらにはまだ悪魔実体はいないの? 私のところに上がっている報告を信じるなら、島の南側は幽霊とか悪魔で一杯よ。放射エネルギーのせいでカント計数機は使い物にならないわ。
バークレー: 外の様子は何とも言えませんが、本部ビルの12階は聖職者で溢れ返ってます。ビルを霊的な要塞に仕立て上げるつもりみたいですから、こっちには寄りつかないかもしれませんね。今は広場にバリケードを築こうとしていて──
フィッシャーマン: ああ、それで少なくとも当面の方針は決まりますね。
バークレー: というと?
フィッシャーマン: 避難民の誘導先ですよ。国連本部にいる聖人候補の数は、少なくともニュージャージーの全財団サイトより多いでしょう。我々のシェルターより余程安全だ。
キム: イーストサイドから国連本部を経由してクイーンズまで誘導すれば、地図上は安全な退避路が構築可能です。グリッドロックがなければの話ですが。
パウゼマン: 銀弾の配備状況は微妙なところだが、聖水噴霧機なら一応用意できる。在庫切れまでの数時間は持ちこたえられるだろうさ。
フィッシャーマン: 決まりです。まずは市民を救いましょう。
[記録終了]
Record 2001/09/11 - 310295
研究収容サイト-310通信回線による記録
メンバー:
[記録開始]
ブライト: 俄には信じがたい、この私が報道担当だと? 何の冗談なんだ。
バークレー: 仕方がないんです、臨時管理官。なにせ区内でメディアが機能しているのは国連本部ビルだけで、ここにおける最高位の役職者は貴方です。クレフ博士は拘束されていますし。
ブライト: ああ、彼を引き合いに出されると、まるで私がやらなきゃいけないように思えてくるな。
パウゼマン: 2時間以内に市内の機動部隊は7つに増強される。市民の避難を優先していることだけでも伝われば、現場の混乱は多少収まるだろうて。
ブライト: よし。それじゃ、悪魔の対処方法は? 足のない煙を吐く連中について、市民からのヒステリックな報告が20も30も入ってるんだ。
イールズ: 聖水に銀弾、聖職者の祈祷。そんなところです。十字架の効果が薄いのは確認されています。悪魔実体だけならともかく、実存生命への憑依体を祓う簡単な方法はありません。霧に触れないこと、規制線の先に行かないことだけが対処です。
バークレー: カオス・インサージェンシーからの声明は出ていません。財団と彼らの関係は、メディア戦略上非常に不利に働きます。会見では監督評議会への責任論に向かないように注意が必要です。原稿はこちらで用意しますから──
クレフ: [ガラスの割れる音] クソ野郎ども──脳足りんの──忌々しい軍隊気取り──馬鹿にしやがって──
ブライト: 畜生、何なんだ。
イールズ: これは記録回線です、クレフ博士。連合の警備担当者がとりあえず貴方をふん捕まえておいたのが良い判断だったと我々に思わせないためにも、何かしらのアイデアを出してほしいものですね。今まさに少なくとも3000体の悪魔がエンパイア・ステート・ビルに向かって行進しているんですから。
クレフ: アー、お嬢ちゃん、まともに仕事をしてるふりがしたいだけなら、そのまま喋っていていい。本当に役に立ちたいなら黙れ。この上なくクソ最悪なニュースが聞ける。
イールズ: 何だって言うんです、これ以上最悪な状況があるんですか。
クレフ: 新鮮採れたてだぞ、精神部門のお偉方様の口をこじ開けて直接聞いてきたんだからな。脳ミソの茹で上がったアホどもはピチカートを検討してる。
パウゼマン: [不明瞭な唸り声]
イールズ: 確認させてください、クレフ博士。ピチカート手順ですか? 水爆とかミサイルとか原潜に関連付けられたあの、つまはじきの4ピチカート?
クレフ: 俺の耳が昨日のコニャックでイカレてなければ、それだ。
バークレー: おお、ジーザス・クライスト。まったく!
ブライト: 間違いなくこの街に一番求められてるね。
パウゼマン: その与太が確かなら、連合は100万人を飲み込んでる異常空間に対して、少なくとも核爆発かそれ以上の何かを叩き込もうとしてるってことになる。それで事態が解決するのかは知らんが。
イールズ: 根本的な解決ではありませんが、現状においてひとつの有力な方針ではあります。事後処理を完全に放棄しているという点を除けば。
ブライト: 監督評議会の対処指針が出る前にそいつに触れるわけにはいかないぞ、どうすればいい。
イールズ: 何とかして連合の意思決定を引き伸ばしてください。決断を思い留まるように。
パウゼマン: "ワルプルギス"が先程到着してウェストサイドの偵察に回っている。州兵も協力してくれるそうだ。空間内部の様子が判明したら、すぐにそちらに伝達しよう。ワシも現場に向かう。
クレフ: するってえと何か、俺はまた連中に捕まるのか? "予防拘禁措置"とやらのために? 折角黒服を5人ばかりトイレの便器に突っ込んできたのに。
イールズ: 貴方のコネをどう使ってもらっても構いませんが、まずは彼らに詫びるべきですね。
[記録終了]
Record 2001/09/11 - 160002
機動部隊Ο-16("ワルプルギス")による記録
メンバー:
- 対応部隊連絡員 ルドルフ・パウゼマン
- 合衆国陸軍大尉5 ジョナサン・ライデン
- 機動部隊Ο-16("ワルプルギス")部隊員
- ニューヨーク陸軍州兵第42歩兵師団("レインボー")選抜偵察中隊員
【2001/09/11 22:45より再生開始】
[Ο-16と選抜偵察中隊の混成部隊はリンカーン・トンネルを経由してマンハッタン島に侵入し、ワシントン・ストリートを南下中。周囲には霧が充満しており、視界は悪い。散発的に悪魔実体による攻撃が行われる。避難民は少数]
ライデン: まさかまだ残っている民間人がいるとは驚きだ。こんなにも異常領域が近いのに、島に入ってからもう20人は見かけたぞ。
O16-デルタ: よくあることです、大尉殿。特定の宗教基盤に根ざした実体の場合、条件によっては認知とは無関係に攻撃しないことがありますから、レッドゾーンにおいても民間人が残っている可能性があります。
Ο16-ガンマ: つまりですね、悪魔が蔓延る紛争地帯だと思って銃を構えたら、銃口の前に子供がフラフラ出てくるかもしれないってことです。
ライデン: ぞっとしない話だな。
パウゼマン: とにかく、異常空間と接触し、内部の様子を探らねばならん。強行突入を思い留まらせるには、人質が生きていることを証明するのが一番だからな。
中隊員F: 銀行強盗のメソッドですか。
ライデン: 世界有数の人口密集地だ、生きていてくれなきゃあ困る。あと500m。
Ο16-シータ: いい感じですね。このまま何事もなく行ってくれれば──
[前触れなく左手の商店が破壊され、体高5m強の概して人型の存在が2体出現する。対象は複数の岩石を混合して構成され、非常に矮小な頭部には陶器のカバーが装着されている。第一撃を全員が回避したものの、部隊は2手に分断される]
中隊員B: なんだこれは、ゴーレムか!
ライデン: 総員、遮蔽を確保しつつ射撃!
[10秒間に渡る制圧射撃。対象に有効打を与えない]
Ο16-デルタ: 聖別銀弾、焼夷弾、徹甲埋没呪弾、効果なし。感覚共有型ではないようです。
パウゼマン: RPGがあったろう。
Ο16-ガンマ: あの機動力ですと誤射が心配です、向こう側にも味方がいる。
[ゴーレムの右手には大口径砲が埋設されている。断続的な砲撃で4名の人員が失われる。ゴーレムの後方から市民に偽装した複数の民兵が出現し、部隊に対して攻撃を開始する]
ライデン: クルツが被弾した。畜生、どう考えてもこいつらは悪魔じゃない!
Ο16-アルファ: ゴーレムの顔面に射撃を集中! カバーの中身は羊皮紙だ、破壊すれば止まる!
[3分間に渡る攻防。O16-シグマが狙撃によって頭部カバーを破壊する]
中隊員K: 対象の停止を確認!
ライデン: 街路を掃討、狙撃に警戒しろ! 敵は複数いるぞ。
Ο16-シータ: 見てください、カバーの中身はEmethの碑文です。えらく古い手法のゴーレムだ、300年は遅れてる。
Ο16-ベータ: 枯れた技術とイデオロギーを腐らせてる連中を知ってるぜ。それに火を付ける奴らも。
中隊員C: 民兵の遺体を確認しましたが、IDは見つかりません。見たところアラブ系とロシア系の混成部隊で、軽度の軍事訓練を受けています。厄介なことになりましたね。
パウゼマン: もしこれがインサージェンシーの攻撃なら、この辺りは連中のキルゾーンということになる。兵力を増強する必要があるだろうな。集合! 当初の予定を達成し次第撤退するぞ!
[部隊は集合し、遺体を収容してハドソンスクエアに到達する。悪魔実体は急速に増加しているが、攻撃の意思を見せない。霧は刺激臭を発し、真紅に染まっている。時折雷鳴が響き渡るが、稲妻は観測されない]
O16-アルファ: カント計数機が振り切れた。これ以上は進めない。
ライデン: ソーホーまであと少しなのに、無理なのか?
O16-エータ: 悪魔実体の撒き散らす異常なエネルギー周波と定期的なアキヴァ放射で現実性が滅茶苦茶になってるんです、大尉殿。沖合に船でスクラントン-アンカーを並べまくって中和してるそうですが、通りを一本入れば空気が存在するかも分かりませんよ。
Ο16-シータ: バックドア・ソーホーとの連絡が途絶えた以上、陸路でしか到達できないのだが、仕方ない。作戦行動に必要なだけの車載型アンカーとHazmatスーツが到着すれば現状を打開することも──
[突如として空間が振動し、カント計数機が警報を発する。暗褐色の霧が南方から押し寄せ、周辺の悪魔実体が急激に活性化し、破壊活動を開始する。ハドソン川に一定間隔で停泊する財団艦船は警笛を鳴らしながら退避しているように見える。カナル・ストリート駅の構造物が押し潰されるように歪み、映像から消滅する]
パウゼマン: おのれ、急に拡大を始めおったか。
O16-アルファ: 即時撤退する。このままでは異常空間に巻き込まれて全滅することになる。作戦失敗! 現地点を放棄する。4ブロック後退し、悪魔実体の追撃を排除する!
中隊員C: なんてこった、このままじゃソーホーどころか、グリニッジ・ビレッジあたりまで飲まれるぞ。
Ο16-ベータ: 悪魔実体がこっちをターゲットしています、すごい数だ! 300はくだりません、見たこともない奴らだ! 頭に魚のヒレがついてます!
中隊員G: 嫌な振動だ。まさかとは思うが連中、水を渡れるなんて言わないだろうな? 川を挟んだスタテン島とクイーンズは今、避難民で溢れ返ってるんだぞ。
O16-シグマ: 悪魔どもが泳げるってのは聞いたことないけどよ、泳げないってのも同じくだぜ。
O16-デルタ: こういう場合は悪い方になると相場が決まってるんだ。
パウゼマン: 言っとる場合か、1ブロック後退し制圧射撃! 聖水袋はここが使いどきだ! ライデン大尉、ここはもう無理のようだ。すぐに後退を──
ライデン: ああ畜生、パウゼマン殿、俺は気付いてしまった。
[ライデンが錯乱した様子でパウゼマンに縋り付く]
Ο16-ベータ: 大尉殿、どうされましたか。医務官!
パウゼマン: しっかりしろ大尉、今は遅れれば死ぬぞ!
ライデン: 違うんだ、聞いてくれ。あの音だ、さっきからずっとびりびり響いてくるあの振動、規則正しいあれは、俺には分かるんだ。お袋が助産婦だったから。
パウゼマン: 何だと?
ライデン: あれは──あれは、鼓動だ。母親の腹の中で聞こえる、赤ん坊の。
[振動が更に強固になる。ソーホー方面から複数の大型悪魔実体が出現し、他の悪魔実体を巻き込みながら炎を吐き出す。大型悪魔実体の頭部には湾曲した2対の角があり、尾部は異常に延長しているものの、典型的なTartareanクラス実体に見える。実体の接近に伴って霧の濃度が増し、視界は3m程度しかない。ライデンは失神し、部隊は撤退を開始する]
【中断】
Record 2001/09/12 - 000309
収容スペシャリスト アルト・クレフによる記録
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メンバー:
- 収容スペシャリスト アルト・クレフ
- 報道担当臨時管理官 ジャック・ブライト
- 収容担当臨時管理官 チェルシー・イールズ
- 正二位科学司祭 エルンスト・ヴェイガン
- 人心教導啓明者 アスタフ・レイ・ジャハナム
- 精神部門特任使節 "コヴァルスキ"
注記: 世界オカルト連合在籍者の役職は会合参加時の自己申告による。
[記録開始]
[財団-連合双方の部隊員による状況報告が行われる]
コヴァルスキ: 以上のような状況ですが、財団のお歴々のご意見は。
イールズ: [咳払い] まず初めに申し上げておきますと、財団はこの事態を収容できると考えています。
ジャハナム: ほう? 既に100万人を飲み込んだと思しき異界の使徒どもに対して、お主らは何ら効果的な手段を発揮していないと考えていたが。
ヴェイガン: 同じく。我らの教会はこのような事態の危険を常に訴えてきたが、貴様らは聞く耳を持たなかった。
イールズ: 見解の相違ですね。我々はここまで後手に回ってきましたが、それは装備と人員の不足によるものです、それも連合の強い要請が原因のです。既に対応は始まっています。
ジャハナム: 事務局の、だろう。我らバヴァリア啓明結社は関与していない。
コヴァルスキ: 失礼、今は責任の所在を議論する場ではないわけで。財団の機動部隊は苦戦していると理解していますが、違いますか? それとも前進できている?
イールズ: 踏み留まっている、と表現できます、Mr.コヴァルスキ。ごく少数の増援でこのような対処ができる以上、財団はマンハッタン島の放棄は適切ではないと──
ブライト: 話の途中ですまない、チェルシー。残念ながらノーホーは駄目だ。たった今"螺旋階段"は撤退を開始した。インサージェンシーの妨害が酷い上、大型悪魔には凍結聖水弾頭が効かないようだね。
イールズ: シット! ──あー、失礼を。
ヴェイガン: それ見たことか、と言いたいところだが、明日は我が身だな。
ジャハナム: 物理部門は排撃班を島外から動員している。哀れなる非典の民とて安全は確保せねばならん。すぐさま島に神の火を撃ち込むことは我等とて避けたい。
ブライト: 財団としては確約が欲しいところですね。つい先程もCNNにセントラルパークの動物たちは安全だと言ってきたばかりなんだ。
コヴァルスキ: 108評議会は現在も会合中ですから、結論はすぐには出ないでしょう。事務総長が意見の取りまとめにどれほど時間を掛けるか次第ですが、夜明けまでには──
クレフ: アー、お前ら、俺の話を聞く気はあるのか、それとも?
イールズ: 真面目に話す気があるなら、いつでも。
ヴェイガン: 誠実であるならば、意思あるものよ。
クレフ: どこぞのクソッタレのお陰様で特大のクソがこの街になすり付けられてるわけだが、そいつに関してのプロフェッショナルを俺は知ってる。この会議には居ねえが、このビルのあちこちにいやがる。ケツがむず痒くなるような祈りの言葉を暗記して、ワインを頭にふりかけて──それでもって、イカしたローブの下にハンマーを隠してる、分かるな。
コヴァルスキ: イニシアチブのことを仰っているなら、既に交渉は進行中です。
クレフ: それを待っている間抜けぶりを言ってるんだぜ。いいか、何をどうしようがこの小洒落た島の南側はサタンのひり出した屁の中にどっぷりだ。誰も中身を見られねえんだ、しかも毎時100メートルは広がってて、これからもっと駆け足になる。トイレのドアを早いところ見つけなきゃならんが、それはすぐさま出来ることじゃあない。とすると、俺たちは足元がクソまみれになるのを待ってるべきか、それとも全部焼いちまうのか? 家に誰一人住めなくなるように?
ブライト: 個人的な感想を言わせてもらうなら、綺麗に掃除したいところだね。
ヴェイガン: 適切な喩えとは思えんが、聖句よりは難解ではないな。
クレフ: 今は俺が喋ってるんだぞ、畜生め──それで、はっきり言って、財団は手詰まりだ、今はな。連合もそうだろう。頭でっかちなO5もやかまし屋の評議会も、この場には誰一人居やしない、とすると俺たちはできる範囲で、パイプと酒瓶をかき集めて馬鹿の脳天をかち割りに行くべきなんだ。
イールズ: それからショットガンもね。
クレフ: 黙ってろよお嬢ちゃん、今言おうと思ってたんだぞ。
コヴァルスキ: オーケー、非公式な同盟のお誘いと理解します。少なくとも公的には、我々と財団は3年前から常に一時停戦状態にあると考えていましたが、その延長であると。宜しいですか?
ブライト: それで構わないはずだ。少なくとも財団としては問題ない。
ジャハナム: 108評議会代表の判断とは異なる可能性があるが、現地における対応は私の手に委任されている。期限付きであれば共同戦線に否やはない。
ヴェイガン: サタンと科学者の統一教会は、あらゆる神格に反対する。悪魔を殺すに相違なし。
イールズ: 後からどうこう言うのは監督官に任せましょう。科学者たちが到着するまでの時間稼ぎが急務です。相互の連絡を密にして、悪魔どもを島に閉じ込める必要があるわ。
ブライト: 境界線イニシアチブへの呼び掛けはこちらでも行おう。今はとにかく時間が惜しい。霧が浸透してくる前に対処方針を固めて、避難民の再流入を防止しなければ。
ジャハナム: 改革神殿騎士団に知己がいる。経典の民と繋がりを求めるならば、協力できる。
コヴァルスキ: それでは、今後の連携を詰めましょう。どうせ橋頭堡として適切なのはこの本部ビルだけですからね。3者合同の対策本部になる可能性があります、調整が果てしなく面倒な──おや、クレフ博士、どちらへ?
クレフ: ちょっと野暮用を思い出してね。
[記録終了]
{License}
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